滋賀一周トレイル

滋賀一周トレイルの全体図です。滋賀一周トレイルに含まれる各ルートは、それぞれの自治体・団体によって管理されています。実際に行かれる際にはそれぞれの自治体・団体から発信されているルートの最新状況を確認したり、販売されている地図をお買い求めいただくなど、事前に十分な情報収集をお願いします。

概要

滋賀一周トレイル(通称シガイチ)は、日本最大の湖、琵琶湖を擁する滋賀県を一周する、総延長438km、累積標高28,300mの日本最長級のトレイルです。全体の9割以上がトレイルまたはダートの林道となっており、未舗装率が高いのが特徴です。ルート内には、関西や中部圏をはじめとする各地から登山者を集める魅力的な山脈やトレイルが含まれています。

滋賀一周トレイルは以下にあげた様々なトレイルをつなげながら、滋賀県を一周するトレイルです。そのため、多くの登山者が歩いている分かりやすいトレイル区間もあれば、地図がないと進めない不明瞭な区間も含まれています。全体を通じて、標高は1,000m前後とそれほど高くありませんが、このトレイルをすべて踏破するには、一定以上の登山技術と体力が必要となります。また、古くから人が往来した東海道や中山道、北国街道と交差し、旅人や商人が歩いてきた道や、信仰のために歩かれた道、戦のために築かれた山城跡など、歴史を残す場所も多く存在します。美しい景色と同時に、日本の歴史と人々の暮らしを感じることができます。

1. 京都一周トレイル

京都一周トレイルは京都市街を取り囲む山々を中心とした全長約84キロのコースと、京北エリアに全長約50キロのコースがあり、滋賀一周トレイルでは東山コースの一部を通過します。中でも比叡山は高野山と並ぶ信仰対象の山とされ、頂上一体には延暦寺の施設が点在します。比叡山山内で行われる天台宗の回峰行の一つ、「千日回峰行」は1000年以上の歴史があり、毎日数十kmの山道を巡拝する行を7年間に渡って続けるという過酷な修行は、日本のトレイルランの元祖とも言えます。

公式サイト
京都一周トレイル(京都観光Navi)
公式サイト
京都一周トレイル(京都一周トレイル協会)

2. 比良比叡トレイル

比良比叡トレイルは、京都一周トレイルにもなっている比叡山を、最北端まで縦走し、さらに北部の比良山系へとつながるトレイルです。比良山系は、琵琶湖西岸に連なる山地。最高峰は武奈ヶ岳(1,214m)。大部分が琵琶湖国定公園に属し、古くから近江八景の一つ「比良の暮雪」で知られる景勝地です。京阪神からの交通の便もよく、登山やスキーに多くの人が訪れます。南比良の打見山頂付近には、びわ湖バレイスキー場があり、冬だけでなく夏場も景色を求める観光客で溢れます。南部の蓬莱山、ホッケ山、権現山に渡る区間では琵琶湖を見下ろす尾根に笹野原が広がり、比良山を代表する絶景区間となっています。

公式サイト
比良比叡トレイル(比良比叡トレイル協議会)

3. 高島トレイル

高島市を囲む中央分水嶺を結んだ約105kmに及ぶトレイル。琵琶湖と日本海の両方が見渡せ、トレイル周辺には美しいブナの林が点在します。2021年には、南部区間が延伸されました。滋賀一周トレイルでは、高島トレイルの国境〜小川区間を通過します。

公式サイト
中央分水嶺 高島トレイル(高島トレイルクラブ)

4. 余呉トレイル

滋賀県最北部、日本有数の豪雪地帯である余呉町に広がるトレイル。いくつものルートがありますが、滋賀一周トレイルは、中央分水嶺区間を主に通ります。

公式サイト
余呉トレイル(ウッディパル余呉)

5. 奥伊吹の山々

滋賀一周トレイルによって整備され、2019年に開通した区間。滋賀県標高第2の高峰、金糞岳(1317m)や、第3位のブンゲン(別名射能山、1259m)などを結び、伊吹北尾根縦走路から滋賀県最高峰の伊吹山へとつながります。全区間が標高1000m前後あり、冬場は深い雪が積もり、夏場はブナの森に涼しい風が抜けます。

ルート紹介
奥伊吹縦走(IBUKI)

6. 伊吹山

滋賀県最高峰の山(1377m)。日本百名山。古くから霊峰とされ、『古事記』、『日本書紀』においてはヤマトタケルが東征の帰途に伊吹山の神を倒そうとして返り討ちにあったとする神話が残されています。中京圏や京阪神から年間約30,000人の登山者が訪れます。薬草の宝庫としても知られています。滋賀一周トレイルでは、京極氏遺跡を通る上平寺ルートを通ります。

公式サイト
伊吹山(米原市)

7. 鈴鹿山脈

岐阜県及び三重県と滋賀県との県境沿いに位置する山脈。北端の霊仙山から、南端の油日岳まで、総延長100kmのロングトレイルがつながり、伊勢湾や知多半島などを見下ろすことができます。北部の鞍掛峠から最南端の油日岳までの、大半を占める区間は、鈴鹿国定公園に指定されており、中京圏などから来訪客を集めています。

北部の霊仙山(1083m)、御池岳(1247m)、藤原岳(1144m)は石灰岩質の山で、山頂付近にはカルスト地形が見られます。一方、中央部の竜ヶ岳(1099)南面から鎌ヶ岳(1161m)にかけては花崗岩質で鋭い山容となっています。三重県側は比較的険しく、滋賀県側はなだらかな山が広がっています。御在所岳(1212m)にはロープウェイがあり、多くの観光客が訪れます。

かつて、藤原岳から入道ヶ岳にかけての7座を舞台に「鈴鹿セブンマウンテン」と呼ばれる登山大会が開催されていました。大会が終了した現在も、その名称が残っており、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の7山は「鈴鹿セブンマウンテン」と呼ばれています。

登山にあたっては、北部の三国岳以北は、登山者の通行が少なく、不明瞭な箇所があるため通行には注意が必要です。鈴鹿峠以南は標高が低く登山者は少なくなりますが、急な岩場などがあり気を抜くことができません。

8. 鈴鹿10座

鈴鹿10座は、2015年に東近江市が市制10周年を記念して数ある鈴鹿の山峰から10座(御池岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、イブネ、銚子ヶ口、日本コバ、天狗堂)を認定したものです。

公式サイト
鈴鹿10座(東近江市 森と水政策室)

9. 亀山7座

亀山市出身の世界的アルピニストである故尾崎隆氏が世界の8,000メートル級の14座のうち7座の登頂に成功したことを記念して認定された、亀山市域における鈴鹿山脈の7座(野登山、仙ヶ岳、臼杵ヶ岳、四方草山、三子山、高畑山、錫杖ヶ岳)です。

公式サイト
亀山7座トレイル(亀山市)

10. 東海自然歩道

東海自然歩道は、八王子と大阪・箕面を結ぶ1都8県2府に及ぶ全長1697.2kmの自然歩道で、滋賀一周トレイルではこの内、柘植から信楽、音羽山へとつながる区間を通過します。

公式サイト
東海自然歩道の情報(滋賀県)
公式サイト
東海自然歩道(東海自然歩道連絡協会)

ルート情報について

滋賀一周トレイルのルートは、トレイルの整備状況や、関連施設・団体との調整等の理由により、随時更新が行われています。

イベントページにて、各年に行われたイベントで使われたルートのGPXファイルを配布しておりますので、詳細なルート情報については、最新のイベントのデータをご参照ください。